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好きをコネる「お念土師」と仏さまの18年 #3

ima「かたる」第3話お念土師・大久保汰佳の仏像
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粘土をコネてコネる仏さまを作る日々。寺院を訪れて「働く仏像」に出会う瞬間。気づけば、そうした小さな好奇心が、お念土師・大久保汰佳の人生の道しるべになってる。

ima presents「かたる」第3話では、小学生から高校生まで、お念土師・大久保汰佳がどのように仏さまと向き合い、どんな経験を積んできたのかを振り返る。好きを続けることで出会った数々、そして18歳でお坊さんになったことまで、少しずつ紐解いていきます。

「好き」が世界を広げていく、そんな一連の出来事を、ぜひお楽しみください。

ima「かたる」第3話お念土師・大久保汰佳の十一面観音

コネて、歩いて拝む。

幼稚園や小学生の頃から、好きなものや興味の対象自体は今と何も変わっていないのですよ。ただ、成長するにつれて、実際に仏像を見に行く機会はより増えていきましたよ。数えきれないほど、さまざまな場所を訪れましたね。
特によく通っていたのは東博(東京国立博物館)ですね。叔母が東京に住んでいたこともあり、東京のお寺を巡ることも多かったです。2011年に開催された東寺の密教美術展「空海と密教美術展」を観に行ったのは、今でもよく覚えていますよ。

一方で、この頃は奈良や京都には訪れてないのですよ、小学生の頃に訪れたのは一度きりですね。その代わり、富山や群馬、新潟などのお寺には足を運びましたね。
富山は、日石寺の磨崖仏・不動明王が特に印象に残っていますね。暗いお堂の中に浮かび上がるその姿は、まさに迫り来るような迫力があり、強烈なインパクトでしたよ。前傾した岩盤に彫られているので立体感がすごくて、本当にかっこいいお不動さまですね。今でも、お参りに行っていますよ。

また、この頃もたくさんお粘土で仏像を造っていましたね、小学校を卒業する頃にはかなりの数になっていましたよ。
毎日大切に拝んで、私にとってかけがえのない仏さまたちですね。

ima「かたる」第3話お念土師・大久保汰佳

「働く仏像」に会いに行く

中学生になっても、好きなものや、それに対する行動は特に変わらなかったですね。あっ、でも一人で上野などに行けるようになったのは大きな変化でしたね。東京の叔母の家に泊まらせてもらい、そこを拠点にして、浅草に行ったり、鎌倉を訪れたりしましたね。成田山もそうですし、川崎なども含めて、ご利益を求めて本当にたくさん巡りました。

私は、「働く仏像」が好きなのです、いわゆる、拝まれる仏像で言い換えれば現役の仏像が好きなんです。だからこそ、お寺が好きなんですよね。

お粘土での仏像作りも、幼稚園の頃から使っている材料は粘土で、そこはずっと変わっていません。プチフォルモの粘土をずっと使い続けて愛用していますよ。
幼稚園、小学校と粘土をコネ続けてきているので、顔の表情など、細部の表現はだいぶ洗練されてきたかなと思っていますね。でも、やっていること自体は何一つ変わっていないですよ。歳を重ねるごとに、作れる表現の幅は少しずつ広がっていきました。それは今も同じですね。

ima「かたる」第3話お念土師・大久保汰佳の十一面観音

おやき屋で広がる仏像の世界

この頃は、仏像の個展もよくやらせていただいていましたね。地元のお寺である長谷寺さんや、善光寺の宿坊、おやき屋さん、コーヒーショップなど、さまざまな場所で開催していましたよ。
こうした活動を続けていたことなのか、地元のテレビ局が取材に来てくださることもありましたね。
ありがたいことです。

ima「かたる」第3話お念土師・大久保汰佳
ima「かたる」第3話お念土師・大久保汰佳の蔵王権現

18歳でお坊さんになった

高校生の頃で一番大きな出来事は、お坊さんになったことですね。18歳の時でした。これまでも、ほとんどお坊さんのような生活をしていたので、ごく自然な流れで得度の場に立ったのだろうなと思っていますね。得度を受けたのは、ご縁が深かった東京の高尾山です。18歳の夏に、導かれて、ようやく仏門に入りました。

地元でお世話になっていたお寺さまで、法要のお手伝いなどをさせていただきながらご縁をいただき、少しずつ繋がりが増えていきましたね。いろいろとお世話になったお寺さまはありますが、こうして育てていただいたと感じているお寺さまは、長野の長谷寺さまです。
(得度とは・・・出家して正式に僧侶や尼僧になること)

ima「かたる」第3話お念土師・大久保汰佳

行動が呼び込んだ、さまざまな縁

この時期は、さまざまなメディアに出させていただく機会を頂いていましたね。
Twitter(現X)などのSNSでの発信は、それ以前からずっと続けていました。単純に好きだったんですよね。そうしているうちに、SNSにメッセージが届くようになり、そこからさまざまなメディア出演の依頼を頂くようになりましたね。

出演させていただいた番組としては、サンドウィッチマンさんと芦田愛菜さんの「博士ちゃん」、マツコ・デラックスさんの「マツコの知らない世界」、バイきんぐの小峠英二さんの『小峠英二のなんて美だ!』などがありますね。
そのほか、地元・長野県のテレビ局からの取材も多かったです。少し変わったところでは、スポーツニッポン(スポニチ)に掲載していただいたこともありましたね。

高校生仏師として、東京まで収録に行くこともありました。ただ、お坊さんとしての活動というか、たまたまお声がけいただいて出させてもらった、という感覚で、メディア活動を頑張ろうと思っていたわけではないんですよね。

この時期も変わらず、仏像の個展は続けていました。長野県須坂市にある田中本家博物館で、「ミホトケ展」を開催させていただいたこともあります。振り返ってみると、人目に触れる機会が一番多かったのは、この時期だったのかなと思いますね。こうした経験も素直に面白かったです。

ima「かたる」第3話お念土師・大久保汰佳


執筆者のひとこと
第3話「好きをコネる「お念土師」と仏さまの18年」をご覧くださり、ありがとうございました。

粘土をコネて仏さまを造ることも、お寺を巡ることも、メディアに出ることも、そして18歳でお坊さんになったことも、すべては好奇心、好きから始まったことばかり。お念土師・大久保汰佳の熱量が人を引き寄せ、縁が増え、縁が太くなり、道を作って、今に至る。人としてあるべき姿なような気がしました、記事を書いていて改めて気付かされることもあって本当に面白いです。

次回は、いよいよ、最終回の第4話。現在のお念土師・大久保汰佳、タイガくんを掘っていきます。
お楽しみに。

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